続いてBチームの報告です。
私たちBチームも、石巻市内の9つの小学校のこどもたちに笑顔袋を届けるために、
石巻市内を周りました。
そのうち、2つの小学校のこどもたちには手渡しで直接プレゼントする機会をいただくことができましたので、ここではその時の様子を報告させていただきたいと思います。
▼開北小学校
まず、この日Bチームが最初に向かったのは石巻市立開北小学校です。
私たちが学校に着くと、担任の先生が出迎えてくれました。
まずはご挨拶をし、給食の搬入口から笑顔袋の入った箱を次から次へと運び込みます。
嬉しいことに、こどもたちを多目的ホールに集めていただけるとの旨をお聞きし、
「これから実際にこどもたちに会ってプレゼントをするんだ」
「喜んでくれるかなぁ」と、色々な期待や想像で次第に頭がいっぱいになりました。
担任の先生がこどもたちをホールに集めてくれている間に、校長室に通していただき、校長先生に今回のプロジェクトの説明をさせていただきました。
その時に校長先生が話してくれた「こんな状況だからこそ、子供たちから笑顔を奪ったらいけない」という言葉が、今でも強く印象に残っています。
多目的ホールに着くと、体操服姿のこども達がキレイに並んで、行儀よく待っていてくれました。
挨拶をすると、こちらがビックリするほど元気な声で「こんにちは!」と返してくれました。
プロジェクトの紹介をした後、「今日はみんなにプレゼントを持ってきました」と伝えると、こども達はそれまで以上に目をキラキラさせてくれました。
いよいよ笑顔袋をプレゼントです。
「こども達一人ひとり、全員の笑顔が見たい」
その希望があって、一人ひとりに直接手渡しでプレゼントさせていただきました。
こども達は満面の笑みを浮かべ大きな声で「ありがとうございます!!」と言ってくれて、私たちもとても嬉しく、力が湧き出てくるような感覚をおぼえました。
こども達とお別れをして帰り際、開北小学校の昇降口は、日本中からだけでなく、海外のこども達から寄せられた、応援や復興を願うメッセージでいっぱいになっているのを見ました。
別れ際、昇降口にて校長先生と教頭先生に改めてお礼とご挨拶をしました。
二人のお話では、震災の当日には海岸から3kmも離れているこの開北小学校も、近くを通る旧北上川を伝って1階の昇降口部分が浸水してしまったのだそうです。
Aチームのレポートでも書きましたが、開北小学校の校庭には、震災の被害のために移動することとなった湊第二小学校の仮設校舎があり、体育館や運動場などを2つの小学校で一緒に使用しているとのことでした。開北小学校の校長先生は、「こういう時に助け合うのは当たり前。”使わせてもらってる”などと思わないで、どうか遠慮せず思いっきり使って欲しい。だんだんと、2つの小学校のこども達が一緒に仲良く遊ぶようになれば嬉しい」と話していました。
大変な状況だからこそ、支えあって、手をつないでいくこと。
その素晴らしさと大切さを改めて学ぶことが出来ました。
▼石巻小学校
次に、私たちBチームが直接会ってプレゼントすることができたのが、
石巻市立石巻小学校の一年生たちです。
到着し、まず出迎えていただいた先生にご挨拶と、プロジェクトの説明をさせていただいたうえで、笑顔袋の入った箱を搬入します。
嬉しいことに、こちらでも一年生を別の教室に集めていただけるということだったので、一年生の準備ができるまでの間、校長先生にご挨拶とプロジェクトの説明ををさせていただき、お話を伺うことができました。
石巻小学校は、石巻市内の中でも古くからの歴史のある小学校です。
校長先生のお話では、大地震の起こった前年に、校舎の耐震工事を終えていたところで、工事を行なっていなければ被害は甚大だったかも知れないとのことでした。
また、80年以上の歴史のある講堂(体育館)も大きな損傷はなかったとのこと。
校長先生からいろいろとお話を伺っていると、こども達の準備ができたとのことで、また例のごとく、「喜んでくれるかな」「怖がられないかな」といった期待や緊張を胸に、こども達の待っている教室に向かいました。
教室に向かう途中で驚いたことが一つあります。
こども達のしっかりとした「挨拶」でした。ちょうど給食後の掃除の時間だったようで、廊下
や階段に児童がたくさんいたのですが、「こんにちは」と大きな声で挨拶してくれたのですが、それだけでなく、きちんとその場に立ち止まって、挨拶の後にしっかりとお辞儀をする。どの児童も、そのしっかりとした挨拶ができていて、「すごい」と感銘を受けたのでした。
教室に入ると、ニコニコ顔のこども達が行儀よく並んで待っていてくれました。
大きな声で「こんにちは!」の挨拶をした後で、こちらからプロジェクトの話をしました。
「全国から、みんなに笑顔を届けたいと、送ってくれたおもちゃや文具を、今日はプレゼントとして持って来ました」と紹介すると、こども達からも「やった〜〜〜!!!」の声。
どんなものが入っているのか、ということで、こども達に人気のおもちゃやぬいぐるみをチラ見せしたところ、「ほしい〜〜!」と教室は大盛り上がり。
焦らすのもかわいそうなので、ようやくプレゼントタイムです。
こちらでも、こども達一人ひとりに手で渡していきました。
こども達は、きれいに一列に並んで、自分の順番の時はきちんと両手で笑顔袋を受け取ると、「ありがとうございました!」とお辞儀をしてくれました。
「何が入ってるか、みんなで見てみよう!」
ということでみんなで袋の中を見ると教室のあちらこちらから「わぁ!!!」という声。
友達同士で、何が入っていたかを見せ合いっこしながら、教室は大盛況です。
1年生のみんなからは、大きな声で「ありがとうございました!」とお礼の言葉をもらって、
ここで、Bチームのリーダーとして一緒に石巻市を周った、マザーハウスの山崎さんからこども達に挨拶をしました。
「みんなの”ありがとう”という気持ちを、
文房具やおもちゃを送ってくれた全国の人々にきちんと伝えたいこと」
「みんなの元気な笑顔が、周りの人を元気にできるということ」
そして、「笑顔袋の中に入っているおもちゃで思いっきり遊んで、また文房具で思いっきり勉強してください」と伝えると、こども達は「はい!」と一際大きな声で返事をしてくれました。
そしてそのあとは、こども達、先生方みんなで記念撮影をして、
「また来るね!」と教室を後にしました。
「ありがとう」と抱きついてきてくれる子や、握手をしてきてくれる子、そして教室を出たあとも、見えなくなるまで手を振ってくれる子。こども達が、あまりに素直で、優しくて、元気だったので、私たちは心臓が温泉に浸かっているような気持ちになりました。
以上が、Bチームの報告になります!
私たちには「こども達にプレゼントしてあげている」という一方的な気持ちはもともとなく、ただ「こども達に笑顔を届けたい」と願う気持ちでしたが、
結果的にはこども達のとびっきりの笑顔に触れ、自分たちも元気と活力をもらって来た感じでした。こども達はたくさん「ありがとう」と言ってくれましたが、私たちも、「ありがとう」という思いでいっぱいです。
重ねて、今回のプロジェクトに際して、たくさんの温かい支援物資を提供してくださった全国の皆さまには、心より御礼申し上げます。
※全ての写真の掲載は許可を頂いた上で行っています。
negau.orgプロジェクト 桑原 翔(1PAC. INC.)
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